"その日"を超えて、私は強くなる。
アスリート50人×生理
#4
フィットネス
キム・ミョンヘ
Myunghae Kim

ダンスボーカルグループを経て
フィットネスモデルの国際大会で優勝
PMSを知らず、自分の努力が足りないだけだと…
キム・ミョンヘさんは大阪で五人姉妹の末っ子として生まれる。
母は女手ひとつでお好み焼き店を経営しながら五人を育て上げた。
姉妹は母の店を手伝いながら好きだった歌の道へ進む。五人姉妹のダンスボーカルグループとしてメジャーデビューし、上海アジア音楽祭で、日本勢としては初となる銅賞と最優秀魅力賞に輝いた。
大阪×お好み焼き店×五人姉妹は話題性十分で、関西の有名テレビ番組のいくつかにも出演した。


グループ解散後、ミョンヘさんは東京へ。
昔の事故の後遺症悪化を改善するために勧められた筋トレでフィットネスに出会い、
フィットネス選手/フィットネスモデルに転身。
2016年、国内ボディメイク競技の登竜門「SSA NOVICE」にて優勝。
2018年、韓国で開催された国際的なボディメイクの主要大会 「PCA KOREA」にて優勝2019年、「PCA KOREA」にて準優勝、3位入賞を果たす。


しかしその活躍の裏には、PMS(生理前症候群)だと気づかず、自分の努力が足りないだけとがむしゃらに頑張り、心のバランスを崩す日々があった。
勇気を出して婦人科に通い、ピルを知って、自分は悪くなかったんだと思えた。
インタビュー(YouTube)
全編はYouTubeにて
以下、インタビュー抜粋
コントロールできない自分を責めていた日々
「生理だから仕方ない」と思えなかった、わからなかった――。
フィットネスを始めた頃、キム・ミョンへさんは、生理やPMSによる心身の変化を“自分の弱さ”と受け止めていた。本来ならコントロールできないはずの波を、「努力不足」「我慢が足りない」と責めてしまう。その感覚がいちばん苦しかった、と振り返る。
毎月訪れる痛みや倦怠感で、パフォーマンスは普段の半分以下。10日〜2週間前から訪れる感情の揺れや過食の衝動。大会に向けた減量期は特に影響が大きく、水分量の変化や体重の停滞が精神面に直接響いた。
「今日は自分に負けてしまった」生理前は特に感情の波が激しくなり、普段は泣かないようなことで泣いたり、イライラを爆発させたりしていた。

“分かってもらえないかも”
という孤独
同性同士でも、生理の感じ方はまったく違う。
五人姉妹に生まれたミョンへさんも、家族に悩みを共有できなかった経験を話す。
ミョンへさん姉たちは生理痛がほとんどなく、のちにPMS(月経前症候群)とわかる生理前のつらさもピンとこない。「生理痛ないから分からない」と言われた時、初めて“同じ女性でも差がある”ことを知った。
同じフィットネス仲間の女性でも同じような症状の女性はおらず、「私だけが弱いのかな」「こんなにつらいのは変なのかな」そんな思いが重なり、次第に生理の話をすることをやめてしまった。

PMSを知ったことで、
ようやく自分を許せた
20代後半、ようやく“自分の症状はPMS(月経前症候群)かもしれない”と知った。
ネットで調べ、症状がすべて当てはまった瞬間、長年抱えてきた重荷がふっと軽くなった。「私のせいじゃなかったんだ」と気づけた。
それが転機となった。婦人科で相談し、ピルの服用を開始すると、症状はゼロにはならないまでも“10が2〜3になる”ほど改善した。「怖い薬じゃないし、みんな普通に使っているものですよ」医師の言葉に安心し、自分に合う治療を見つけていった。

「理解してくれるだけでいい」

フィットネスの現場では、男女が同じメニューでトレーニングすることも多い。そこで感じたのは、特別なサポートよりも“理解”の大切さだったという。
「女性はもちろん、男性でも、自分には起こらない現象なのに、理解して寄り添ってくれるなど、その姿勢だけで救われる女性は多いはずです。感謝が生まれ、思いやりが連鎖すると思うんです」
10代のあなたへ。
「我慢しなくていい」
過去の自分に、そして今悩む10代に伝えたい言葉は一つ。
「我慢しないでほしい」
痛みも不安も、まず誰かに話してみること。わかってもらえないこともあるけど、いつかわかってくれる人が現れる。
話すことで、軽くなることがある。他の人が軽い症状だからといって、あなたも同じである必要はない。痛みもつらさも、人によって違うのだから。

食べてしまう自分も、動けず寝込んでしまう自分も、弱さではない。
それは体が起こしている生理現象。
「あなたは悪くない」
ミョンへさんは、同じように苦しむ女性たちにそのメッセージを届けたいと思っている。
自身の実体験を語るのは簡単ではない。それでも、誰かのつらさが少しでも軽くなるなら――。その願いが、今回話してくれたすべての言葉に込められている。
インタビュー(YouTube)
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